日本は現在、世界一の高齢社会であると言われています。 2017年における日本の総人口は1億2,671万人。 このうち65歳以上の人口は3,515万人で、高齢化率(総人口に占める65歳以上の人口割合)は27.7%となっています。日本の人口のうち、3.6人に1人が65歳以上ということです。 今後も高齢化は進む見込みで、2065年の高齢化率予測は38.4%。国民の2.6人に1人が65歳以上となると言われています。 日本は元から高齢社会であったわけではなく、高齢化が進んだのはごく最近です。 1970年代の高齢化率は7%でしたが、1994年にはその倍の14%に増加。24年というかなり早い期間で急激に高齢者が増加したというデータがあります。 高齢化スピードが早いイギリスでも7%から14%と倍になるまでは40年もの時間を要しており、世界的に見ても異質なレベルでの増加といえるでしょう。
高齢化が進んでいるのは、日本に限ったことではありません。 世界で見ても進んでおり、1950年の高齢化率が5.1%だったのに対し、2015年には8.3%に上昇。2060年には17.8%に達する見込みです。 先進地域だけで見れば、それぞれ7.7%、17.6%、27.6%。 開発途上地域のみでは、3.8%、6.4%、16.3%と、どのような国も急速な高齢化が進んでいることが分かります。 とはいえ、やはり日本の高齢化はほかに類を見ないスピードであるといえるでしょう。
日本の急激な高齢者増加の一番の要因となったのは、戦後のベビーブーム。 第二次世界大戦中は妊娠・出産を控える風潮にあったため、敗戦後(1945年以降)に一気に火が付いたようです。 1946年に生まれた方は、2019年で73歳。現在の高齢化社会の先駆けとなる人たちがこの前後に生まれていることが分かるでしょう。 また、その後は医療技術が進歩し、平均寿命が伸びたことも要因です。 誰でも気軽に医療機関を受診でき、病気の早期発見、予防、延命治療などができることも理由の1つとなっています。
高齢化社会は日本だけでなく、世界中の課題。この課題に向けて各国が手を取り合い、検討・実証を繰り返しています。 特に最も高齢化が進んでいる日本が行う取り組みは、世界中から注目されているようです。 現在、日本が行っている取り組みは、高齢者が「健康」で「働き手」となれる一億総活躍社会の実現。 高齢者の再就職・起業への援助や促進、介護予防、社会参加・生きがいのきっかけ作りなどを進めています。 これにより、高齢者の生活を支えるための年金・医療費・介護保険費・生活保護費などに対する支出が抑えられ、労働人口の確保もできるという見込みです。 また、高齢者本人だけでなく、介護者のための環境整備も実施。 これまで介護業界は労働環境が悪く給料も安いというイメージがありましたが、職場環境の改善や給料の標準化などに向けた施策が進められています。 高齢化社会に伴って介護者不足が懸念されていましたが、同取り組みにより介護職員の増加、定着率アップを図るという動きです。 これからは介護者の確保やスキルアップを早急に行うことが日本の課題。 介護職員の労働環境も整備され、キャリアアップも一般企業のように考えられる状況になってきたといえるでしょう。 もし介護業界・介護職への就職で迷っているのなら、今がチャンスかもしれません!