昔は60歳を超えたら相当な老いを感じることが多かったものです。現在は栄養状態や医療の進歩などもあり、身体的にもまだまだ元気いっぱい活躍できる高齢者が増えています。これまでの高齢者に対するイメージとは大きく異なり、元気な方が増えているのです。定年を迎えて会社を退職した後も、趣味や生活だけにとどまらず自分自身で起業をしたり、新たな職場で活躍するといった方も増えてきています。
こうした形で社会の中に関っていくという事は人間らしく生きていくという事を考えるうえで必要なことであるといえます。若返りともいえる身体の状況と合わせるように、高齢者の活躍できる場を作っていくことが精神的な安定をもたらすことになるでしょう。
チャレンジ精神が旺盛な高齢者ですが、その気持ちを支えるのは健康な体です。まずは健康維持のための活動を進めていきたいところです。健康促進につながる継続的な運動や、認知症予防のためのプログラムなどを取り入れた生活が望ましいです。
しかし、歌やお遊戯など子ども扱いのようなプログラムを嫌う高齢者も多いです。その点、仕事を続けていれば、それなりに体を動かしたり、頭を使ったりという行動になりますから、そういった健康維持の意味でも仕事を持つという事は必要といえるでしょう。要介護状態に陥らない対策にもつながります。
日本では今後高齢者の数が飛躍的に増えていきます。高齢者だからと社会から除外して考えていくだけでは、国民に対して介護の負担だけが重くのしかかっていくことになります。また、少子化を受けて労働力も減少していく中、高齢者も社会の中でできるだけ活躍しともに生きていくという考え方へシフトしていく時代が来ているのです。高齢者のチャレンジ精神を尊重し、うまく活用していくことがポイントです。
今の時点で高齢者が活躍できる仕事は少ないです。最近多くなってきたのがボランティア活動などに参加する高齢者です。ボランティア自体には報酬がほとんど発生しませんが、年金などである程度収入がある人にとって、社会貢献や人との関りを持つための重要な場所になっています。
こうしたボランティア組織などを支援するという事も必要なことといえます。介護分野など人材の必要なところで、こうした高齢者のパワーを生かすことが出来れば大きなプラスになります。また、文化的な組織、趣味の集まりなども元気な高齢者の活躍の場になります。今の時点で高齢者の活動を後押しすることが、将来の介護負担を軽減することになりますから、そういった面から配慮や支援の在り方を考えてみることも必要になるかもしれません。