少子高齢化がますます深刻化する中、国の取り組みとして「少子化対策基本法」と「高齢化社会対策基本法」が制定されました。それぞれ読んで字のごとく、少子化および高齢化に対する対策の基本方針や国としての向き合い方が定められています。
この先の高齢化社会を乗り切るために、対策に取り組んでいるのは国や自治体だけではありません。社会問題として民間企業もこの高齢化に向き合い、対策に取り組んでいます。以下に、企業の取り組み事例を具体的に紹介します。
都市銀行の大手である三菱UFJ銀行が取り組む高齢化対策が、「エクセレント倶楽部」です。2022年8月にスタートさせた無料の会員制サービスで、銀行ならではの資産運用における金融サービスに加え、提携先による高齢者見守りなどの非金融サービスも提供しています。提携している企業は全15社で、サービス自体は27種類を展開(2023年7月時点)。提携先の提供・優遇サービスは、高齢者用の運動プログラムや見守りサポート、ホームセキュリティ、自宅での介護サービス、家事代行サービスなど多岐にわたります。これらのサービス内容や取り組みについて、詳しくは公式サイトにてご確認ください。
このように、大手銀行の特性を活かし、多くの企業と連携して少子高齢化社会を金融面と非金融面から広くサポートしています。
一方、食の分野で高齢化に対して積極的に取り組んでいるのが、味の素グループです。サステナビリティとは、経済・社会・環境の3つの観点から持続可能な世界を目指す取り組みのことを言い、味の素グループでは「人と地球の未来のために」というキャッチコピーを掲げ、高齢化のみならず様々な社会問題に食という切り口から取り組んでいます。公式サイトでは、その活動内容を紹介しています。
高齢化対策としては、高齢化による健康ニーズの増大を課題とし、健康寿命を延ばす活動に力を入れています。食が細くなり、栄養が偏りがちな高齢者向けに、「食」と「アミノ酸」の技術とノウハウを最大限活かし、「おいしく食べて、健康な社会築く」ための取り組みを行っています。
国・自治体・大手企業などが率先して高齢化社会への対策に取り組んでいることがわかりますが、まだ十分とは言える状況ではありません。しかし、この先は上記のような企業に牽引されるような形でさらに様々な取り組みが広がっていくであろうと期待されています。国民としてひとりひとりが当事者意識を持つことも重要な要素となるでしょう。